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2021.05.05

音楽理論・初級編 #4-a ~マイナースケール3種類~

Tees Music School ギター講師のRyosukeです!

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前回までにメジャースケールとメジャースケール上のコードの話でした。

前回の記事はこちら→音楽理論・初級編 #3~コード機能と代理コード~

メジャーがあればマイナーがあるという事でマイナースケール関連の説明をします!

 


 
・マイナースケールは3種類あるが丸暗記する必要は無い!

 
マイナースケールというと大体ナチュラルマイナースケールの事を指します。そのインターバルを見てみましょう。

 

  
メジャースケールと比較すると明るい/暗いを決める3rd、それから6th7thが半音下がってます。

これだけ見てもピンとこないと思うので、Key=Amにしてみましょう。

 

ABCDEFG

 
♭が1個も付いてない、Cメジャースケールと同じ7音!

つまりはCメジャースケール=Aマイナースケール!

 
Cから見て6番目から始めればAマイナースケールで、Aから見て3番目から始めればCメジャースケール。

1個覚えたら2個使える様になる、なんてお得!

スケールの音使いが同じという事は、使われるコードもまったく同じ!

 

使われる7音はメジャースケール=ナチュラルマイナースケールなのでkey=CでありAmであると言えます。

とは言え印象は結構違うものです。

 
この様に使う音が共通でメジャー/マイナーになっている関係の調を「平行調」と呼びます。

もしkey=DならBmが平行調、Key=F#mならAが平行調ですね。

 
メジャーが主人公目線の本編作品だとしたら、マイナーはスピンオフ作品みたいなものです。

メジャースケールと同じ自然な音使いなのでナチュラルマイナー(自然的短音階)といいます。

 
これとセットで覚えて欲しいのが、主音を同じにしたマイナースケールのKey「同主調」と呼びます。

CメジャースケールとCマイナースケールの関係ですね。

 
この同主調と平行調の話はまた改めてまとめます。


・ハーモニックマイナー(和声的短音階)

ハーモニックマイナーの話に移ります。

ナチュラルマイナーはメジャーと使われるコードが同じなんですが、マイナーの1番目のコードをより安定させるためにドミナントモーションを利用します。

 
5番目のコードがトライトーンを含んでいないので構成音を変化させます。


Ⅴm7               Ⅴ7

 
Em7 (構成音 E G B D) → E7 (構成音 E G# B D)

 

この様に3rdを半音上げてドミナントセブンにする事で緊張感を煽ってAm(Ⅰm)に落ち着く流れができました。

G→G#に変化があったのでスケールの方にフィードバックさせます。

 
ハーモニックマイナースケール

 
Gに#が付いたので7番目の♭が取れましたね

7から1のインターバルが半音になる事で主音である1に向かってより滑らかなスケールに変化ハーモニックマイナー(和声的短音階)になりました。


和音(コード)の都合でスケールの音に変化があったので出来た
のがハーモニックマイナースケールと捉えてください。


 
・メロディックマイナー(旋律的短音階)

 
もしメジャースケールが完璧な形だとしたら、明るい/暗いを変えるだけでよくない?

じゃあ3rdだけ半音下げちゃおーと旋律の都合で音を変化させます。

 

メロディックマイナースケール

 

 
ハーモニックマイナーのインターバルだと、6〜7にかけて1.5音あるので、それを滑らかに解消したスケールとも言えます。

 
主音のAに向かう音(5→6→7→1)がメジャースケールと同じインターバルになっているので綺麗にフィニッシュできます。

 
それを利用して同じ主音のメジャースケールにチェンジする事もできます(同主調)

 
メロディックマイナーも今はこのくらいの認識で大丈夫です!

 



 

 
スケールの音に変化が出たのでコードの構成音にもそれぞれ変化が出ます。

表にまとめておきますが丸暗記する必要は無いです。

ずっとハーモニックマイナー/メロディックマイナーで歌ったりする事もそうそう無いので。笑

 
Ⅴ7は共通で、Ⅱ・Ⅳ・Ⅶの変化をある程度パターンで使うだけなので今の段階ではさほど気にしなくて大丈夫です!

 

 

 

 ドミナントモーションをする為にGの音がG#に変化したことで全体のコードの構成音にも作用。

 

 

 6,7のインターバルが変化。FとGに#がついた。

 

スケールに変化があった→変化した所だけコードを変える

 
コードに変化があった→変化した所だけスケールを変える

 

どちらからも言えることですが、つまりはこういう事です。

メジャースケールとナチュラルマイナースケールは同じ音使いなんですが、メロディをよりマイナーに聴かせるためにこういったスケールを使ってアレンジしていきます。

 
というわけでマイナースケール3種でした!

 
ハーモニックマイナーメロディックマイナーはドミナントモーション時に出てくるので、基本はナチュラルマイナースケールを覚えておけば大丈夫! 


 
まとめ

・マイナースケールはメジャースケールの6番目から始めたものと同じインターバル

・スケールはゼロから覚えようとせずに、それぞれ比較してインターバルを覚えよう

・スケールの音の変化とコードの構成音の変化は連動する

 


 
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次の記事はこちら→ 音楽理論・初級編 #4-b ~マイナースケールのコード機能と平行調/同主調~